From Editor(編集部からのお便り)
ベケットが日本開幕戦に出場しない可能性が大に
日本開幕戦を楽しみにしているメジャーファンにとっては気がかりなニュースをお伝えしなければなりません。レッドソックスのエースで、昨季、両リーグ唯一の20勝投手となったジョシュ・ベケットが来日しない可能性が高まりました。本人は何もコメントしていませんが、腰の状態が思わしくなく、テリー・フランコーナ監督は「もし準備が整わないようなら、無理して開幕戦に投げさせるつもりはない」と語っています。日本開幕戦と同じカードとなる4月1〜2日のアスレチックス戦、もしくは4〜6日のブルージェイズ戦での今季初登板が濃厚なようです。
松坂大輔投手も、倫世夫人の第二子出産予定日が日本開幕戦の遠征期間(3月20〜27日)と重なっているため、凱旋登板は微妙な状況。出産に立ち会えるよう、キャンプ地のフォートマイヤーズからチャーター機でボストンへ向かうプランを立てていますが、開幕戦までにチームと合流できる保証はありません。
また、アスレチックスも主砲のエリック・チャベスが昨年10月に手術した腰の回復が遅れており、来日しない公算が強まっています。今さら言っても愚痴になりますが、2003年に予定されていたマリナーズとの日本開幕戦がイラク戦争のため中止にならなかったら……と思わずにはいられません。前年の02年、チャベスは自己最多の34本塁打を放ち、ミゲル・テハダはMVP、バリー・ジートはサイ・ヤング賞を獲得していました。ジートとともに投手三本柱を形成していたティム・ハドソン、マーク・マルダーもいたのに、チャベス以外はみんな去ってしまって……。これで今回、チャベスも来ないようなら本当にがっかりです。個人的には、贔屓にしている阪神とのプレシーズン戦でチャベスを見たいのですが。まあ、ベケットと松坂はいずれにしてもプレシーズン戦では登板機会がないでしょうけど。(は)
次回更新は3月20日(木)です。
50本塁打でも年俸微増の不思議
3月2日、ブルワーズのプリンス・フィルダー一塁手が契約更改を行ない、年俸67万ドルでサインしました。前年度からのアップはたった25.5万ドル。昨季は史上最年少で50本塁打を放ち、OPS(出塁率+長打率)1.013はリーグ2位、MVP投票でも3位に入る大活躍を見せたことを考えると、何とも寂しいアップ率です。これには本人も「すごく不満だ。オレより成績の悪くてもっと稼いでいる選手がたくさんいるんだから」と不満たらたら。
同じく昨季、15勝、防御率3.30をマークして地区優勝に貢献したフィリーズのコール・ハメルズ投手は40万ドル→50万ドル、19本塁打、105打点をあげたブレーブスのジェフ・フランコアー外野手に至っては、42.75万ドル→45万ドルとほとんど現状維持。
(誰とは言いませんが)大した活躍もしていないのに年俸1000万ドル以上を稼ぐ選手も珍しくない昨今、なぜこんな事態が起こるのでしょう? それは、彼ら3人がいずれもメジャー経験3年未満で、年俸調停権を持っていないためです。調停権がない選手は、どんなに好成績を残しても基本的には球団の言い値でサインせざるを得ません。その代わり、ひとたび調停権を手にすれば一気に年俸が上がる仕組みになっているのです。
現メッツのオリバー・ペレスを例に見てみましょう。04年、当時パイレーツにいたペレスはリーグトップの奪三振率10.97、5位の防御率2.98をマークしながら、翌05年の年俸は38.1万ドル。前年比でたった6万ドル増でした。05年は怪我もあり、20試合で7勝5敗、防御率5.85と大不振。ところがその年のオフに調停権を手にしたため、今度は190万ドルと一気に6倍以上もアップしたのです。06年は3勝13敗、防御率6.55とさらに落ち込みましたが、にもかかわらず50万ドル近くの昇給を勝ち取りました。
日本人の感覚では不可解にも思えますが、成績だけでなく、主戦としてプレーし続けた実績そのものも評価するのがメジャー流なのかもしれません。とはいえ、あっさりクビを切られることもありますから、何とも言えませんが。3月24日(月)発売のスラッガー5月号では、この年俸調停についての企画もありますのでお楽しみに!(イ)
ペレスの年俸の推移
勝-敗
投球回
防御率
年俸
2004
12-10
196.0
2.98
32.1万ドル→ 38.1万ドル
2005
7-5
103.0
5.85
38.1万ドル→190.0万ドル
2006
3-13
112.2
6.55
190.0万ドル→232.5万ドル
2007
15-10
177.0
3.56
232.5万ドル→650.0万ドル
次回更新は3月13日(木)です。
レッドソックスの大遠征
レッドソックスのプレシーズン戦初戦が現地2月28日に行なわれます。キャンプ地フロリダでのレッドソックスのプレシーズン戦は3月19日まで続き、その間で試合のない日はわずかに1日だけです。
その後、東京ドームでの開幕戦のため来日し、2試合の練習試合後に、アスレチックスと公式戦2試合を戦います。
これが終わればレッドソックスの選手は地元ボストンに戻ると思っている人もいるかもしれませんが、そうではないのです。
まずは西海岸のロサンゼルスで3試合プレシーズン戦をこなし、その後、またもアスレチックスとオークランドで公式戦2連戦を戦うことになっているのです。ローテーションの間隔からすれば、日本での開幕1、2戦に先発した投手同士が再び激突する可能性もあります。
その連戦が終われば、今度こそ地元に戻れると思いきや、そうはいかないのがメジャーリーグ。
次はカナダのトロントでブルージェイズと3連戦を戦います。トロントはボストンからは飛行機で1時間30分ぐらいですが、一応隣の国です。
このようにプレシーズン戦の初戦から1ヶ月以上に渡って、地元以外で毎日のように試合をし、やっと4月8日にボストンで地元開幕戦を迎えることができるのです。
アスレチックスや、中国でプレシーズン戦を行なうドジャースとパドレスもいますが、地元に戻るのが最後になるレッドソックスが一番の大遠征と呼べるでしょう。
多くの選手が数億円を稼いでいるとはいえ、これだけ厳しいスケジュールのなか、日本まで試合をしに来てくれるレッドソックス(とアスレチックス)の選手たちには感謝しないといけませんね。(タ)
次回更新は3月6日(木)です。
いよいよ名鑑号が出ます!
本日21日、ようやく名鑑号が完成して、あとは明後日の23日から店頭に並ぶのを待つばかりとなりました。各チームとも顔写真付きで紹介しているのは、選手19名プラス監督の計20名。それぞれの紹介文にはフィールド上のプレーの特徴だけでなく、いわゆる“ネタ”を仕込んである選手も少なからずいます。
例えば、ある投手の紹介文は「変則サイドハンド。高校時代に打球を腕に受けて負傷するまではオーバーハンドだった。サインもユニークでPの弧の中にボールの縫い目を描く。球場近くで育った」となっています。
また、ある野手はこうです。「アクロバティックな派手さはないものの、肩、範囲、確実性など守備はすべてが超一流。彼を選んでいないことがゴールドグラブの価値を下げている。打撃はお粗末」
さて、誰と誰でしょう? 特徴が結構あるので、わかる人にはわかるかもしれません。投手のヒントは、昨季リーグ5位タイの74試合に登板。野手のヒントは、今季から新チームに移った選手で、この2人はチームメイトになりました。野手は私のお気に入り選手でもあります。答は、名鑑号で確認してみてください。(う)
次回更新は2月28日(木)です。
マリナーズに新加入のベダードが開幕投手に
現地2月13日、マリナーズのジョン・マクラーレン監督が、8日にオリオールズからトレードで加入したばかりのエリック・ベダードを今季の開幕投手に据えることを明言しました。マリナーズには“キング”の異名をとるフェリックス・ヘルナンデスがいますが、マクラーレンは「ベダードの方が経験があるからね。基本的にはそれが大きな理由だ」と語っています。もっとも、ベダード自身は「そんなもの、僕にとっては目標でも何でもなかった。投げられるだけで満足さ」と意に介していないようですが。
2人を比較すると、年齢はベダードが28歳、ヘルナンデスが21歳。メジャーデビューはベタードの23歳に対してヘルナンデスは19歳の若さでした。ともに、開幕投手は昨季の一度だけです。昨季の成績も比べてみましょう。
ベダード
13勝5敗
防御率3.16
奪三振221
WHIP1.09
ヘルナンデス
14勝7敗
防御率3.92
奪三振165
WHIP1.38
勝利数はヘルナンデスが上回っていますが、他のスタッツはベダードが圧勝。ちなみに、ベダードは奪三振率(10.93)がリーグ1位、WHIPが2位、防御率が4位で、シーズン終盤に故障しなければ奪三振王も確実だったでしょう。球質はヘルナンデスの方が遥かに重そうですが、ベダードは速球にキレがあり、しかもカーブが最高! 左投手ということもあり、私が監督だとしても、開幕投手には間違いなくベダードを指名するでしょう。私も学生時代は外野手兼投手をやっていて、左投手の優位さを実感したものです。ベダードのようなカーブを投げられたら、草野球のヒーローになれたんでしょうけどね。(は)
次回更新は2月21日(木)です。
キャンプ目前になっても“就職活動”
空前の好景気に沸き、選手年俸も右肩上がりのメジャーリーグ。しかしその一方で、不思議な現象が起きています。それは何かというと、スプリング・トレーニングまで約10日という時点になっても“就職活動中”の大物選手が大勢いること。下の表は昨シーズン、140投球回(投手)、あるいは450打席以上(野手)を記録しながら、現時点でまだ所属先が決まっていない選手たちをまとめたものです(裁判に巻き込まれているバリー・ボンズは除外)。
それぞれの成績を見ても、決して優秀ではないものの(ウィーバー以外は)まずまず許容範囲内で、どこかしら拾ってくれるチームがあってもよさそうなもの。なかでも29歳のローシーは、FA市場における投手の人材不足も手伝って、年平均1000万ドル以上の3〜4年契約はゲットできると見られていただけに意外な感じがします。代理人のスコット・ボラスは年平均800万ドル程度までディスカウントして各球団に売り込んでいるらしいですが、それよりさらに買い叩かれることは必至の情勢です。
一方、野手では、450打席以上を記録したのは全員が外野手。パターソン以外は黄昏時を迎えた選手ばかりですが、控えとしてベンチに置いておくには心強い存在になりそう。外野の層が薄いチームとして浮かぶのは、カージナルス、インディアンスあたり。アスレチックスもその条件に当てはまりますが、本格的な再建プランに乗り出しているだけに、ベテラン選手には手を出してこないでしょう。マリナーズも、有望株のアダム・ジョーンズを放出した場合にはもう1枚くらい加えておきたいところ。
表に出てこない選手では、バートロ・コロン、フレディ・ガルシア、マイク・ピアッツァ、マイク・スウィーニー、トロット・ニクソン、トニー・クラーク、クリス・ベンソンといった面々が、今頃エージェントをせっついている最中(?)。現在、名鑑号作りで大忙しのスラッガー編集部にとっても「どこでもいいから早く決まってほしい!」というのが本音です。(イ)
勝-敗
投球回
奪三振
防御率
リバン・ヘルナンデス
11-11
204.1
90
4.93
カイル・ローシー
9-12
192.2
122
4.62
ジョシュ・フォッグ
10-9
165.2
94
4.94
スティーブ・トラクセル
7-11
158.0
56
4.90
デビッド・ウェルズ
9-9
157.1
82
5.43
ジェフ・ウィーバー
7-13
146.2
80
6.20
打率
本塁打
打点
OPS
ショーン・グリーン
.291
10
46
.782
ケニー・ロフトン
.296
7
38
.781
サミー・ソーサ
.252
21
92
.779
シャノン・スチュワート
.290
12
48
.739
コリー・パターソン
.269
8
45
.690
次回更新は2月14日(木)です。
ツインズ側から見てみよう
現役最強左腕ヨハン・サンタナのメッツ入団がほぼ確実となりました。
ツインズにとって、大エースの流出は痛いですが、今シーズン終了後の流出がほぼ確実だっただけに、サンタナを駒にしてどれだけいい商談をまとめるかが交渉の鍵となっていました。
獲得した選手は、フィリップ・ハンバー、ケビン・マルビー、デオリス・グエラの3投手とカルロス・ゴメス外野手の計4人。レッドソックスからの交換要員の候補に挙がっていたジャコビー・エルズベリーや、ヤンキースの候補に挙がっていたフィル・ヒューズやメルキー・カブレラからすれば、やや小粒感が否めない印象を受けてしまいます。
実際はどうなのでしょう?
2004年ドラフト1巡目(全体3位)指名のハンバーと、06年ドラフト2巡目(全体62位)指名のマルビーは、ともに各年のメッツのトップピック。
特にハンバーは契約金が300万ドル(約3億3000万円)と当時球団史上最高額で契約した期待の選手でした(現在ではマイク・ペルフリーの355万ドル=約3億9050万ドルに抜かれ2位に)。しかしプロ入り後にトミー・ジョン手術を受けた影響もあり、大学時代の球威が戻っていないとも言われ、まだメジャー通算5登板で0勝0敗と期待通りの活躍はできていません。
マルビーは、実質プロ1年目だった昨シーズンは主に2Aで投げ、きっちりローテーションを守り、終盤には3Aに昇格した、スライダーが武器の本格派の投手。プロ入り時の評価ではハンバーに劣っていましたが、昨シーズンはメッツの最優秀マイナー投手に選ばれたので、評価が逆転していると言ってもいいでしょう。
グエラはサンタナと同じくベネズエラ出身の18歳。2年間のマイナーでの成績は、40試合(39先発)に登板し、9勝14敗、防御率3.28と特筆すべき数字ではありません。しかし、昨年のオールスター・フューチャーズ・ゲームに、1Aの所属ながら、最年少の18歳で選ばれたほど高く評価されています。実際に『ベースボール・アメリカ』誌は、今オフに発表したメッツのトップ・プロスペクトのベスト10で、グエラを2位にランクしていて、4位のマルビーや7位のハンバーよりも高く評価しています。
そのベスト10の3位にランキングされているのがゴメス。すでに昨年5月にメジャーデビューを果たしているドミニカ共和国出身の俊足外野手です。打撃にまだ不安はあるものの、守備、走塁はすでにメジャーでも通用していて、特に足の速さは未来の盗塁王候補に挙げられるほどです。
このように4人とも近い将来にメジャー定着を果たす逸材みたいで、ハンバーとマルビーは今シーズンのローテーション入りも期待できます。しかし、サンタナの交換で獲得した選手たちだけに、ただレギュラーになるだけではちょっと寂しく感じます。せめて誰か1人は大化けして、球界を代表するスーパースタークラスになってもらいたいとツインズは願っているはずです。
私は、若さと『ベースボール・アメリカ』誌の高い評価から、グエラがスーパースターになるのではと期待しています。
そうなれば、今は「サンタナのトレード」と呼ばれていますが、将来は「グエラのトレード」と呼ばれることでしょう。5年後が楽しみです。(タ)
次回更新は2月7日(木)です。
サイ・ヤング賞投手はどこへ
タイトルを見て、ヨハン・サンタナのことだと思った人もいるかもしれません。けれどもここで取り上げるのは、サンタナではありません(こちらは現在発売中の本誌に記事があります)。2004年と06年に受賞したサンタナに挟まれるかのようにして、05年にサイ・ヤング賞に輝いたバートロ・コロンのことです。
05年に21勝をあげてサイ・ヤング賞投手となったコロンですが、その年のプレーオフで肩を痛めてからは満足に投げられず。エンジェルスとの4年契約が終わった今オフ、FAになりました。そこでロイヤルズ、ホワイトソックス、レンジャーズ、メッツなどが興味を抱いているという情報も流れましたが、まだどことも契約には至っていません。
健康に不安があるのと、コロン自身が複数年契約を望んでいるらしいということで、なかなか話は進展していません。実際、ロイヤルズはブレット・トムコ、レンジャーズはジェイソン・ジェニングスと契約。事実上、コロン争奪戦(?)から撤退したと見ていいでしょう。
5月で35歳。今回のウインター・リーグで投げたところによれば、かつての豪速球は見る影もないとのことです。今オフのFA市場には実績のある先発投手が少なく、どこかしら契約するチームはありそうですが、ローテーション入りが確約されない可能性も低くありません。
わずか3年前のサイ・ヤング賞投手といえども、厳しい条件を呑まざるを得ない気配が漂っています。もう一度、あの砲丸投げのようなフォームを目にしたいと思うのですが……。(う)
次回更新は1月31日(木)です。
同じ日にテハダを襲ったダブルショック
現地1月15日、球界の薬物汚染に関する米下院改革委員会の公聴会が始まりました。驚いたのは、議長がオフにオリオールズからアストロズへ移籍したミゲル・テハダを徹底的に取り調べるよう司法省に要求したことです。
話は2005年に遡ります。この年の3月、改革委員会はステロイド問題で公聴会を開き、マーク・マグワイアらとともに当時オリオールズのラファエル・パルメイロに事情聴取を行ないました。その際、パルメイロはステロイドの使用を否定したのですが、8月に検査に引っかかって10日間の出場停止に。そこでパルメイロは、チームメイトだったテハダから受け取ったビタミンB12が怪しいと口にしたのです。それを受け、改革委員会は極秘でテハダに接触しましたが、テハダはステロイドの使用を否定し、他の選手が使っているかどうかも知らないと言ったそうです。ところが、ミッチェル・レポートにはテハダがアスレチックス時代の03年、チームメイトのアダム・パイアットからステロイド、HGHを受け取ったとの記述がありました。そこで、議長はテハダの取り調べを求めたのです。
この日、テハダにはもう一つショックな出来事がありました。37歳の兄、フレディさんが母国のドミニカ共和国でバイク事故を起こして亡くなったのです。テハダは帰国中で、ウインター・リーグの試合に参加するため会場に向かっていたそうですが、訃報を聞いて自宅に戻ったようです。
この日の2つめの出来事は、テハダ本人もそうでしょうが、残された家族にはかなりの痛手だと思います。大金持ちになっても、必ずしも幸せとは限りません。たとえ貧しくても温かい家庭を築きたいと、ガールフレンド募集中の私は心から思っています。(は)
次回更新は1月24日(木)です。
セーブ数だけではわからないゴセージのすごさ
2008年度の殿堂入り投票については、すでに多くのファンが結果を知っていることでしょう。有力候補と見られたジム・ライスは16票届かず、晴れて殿堂入りを果たしたのは、ヤンキース、パドレスなどでリリーバーとして活躍したリッチ“グース”ゴセージだけでした。
しかし、通算成績をパッと見ただけでは、なぜゴセージが殿堂入りを果たしたのか首をかしげる人がいるかもしれません。彼の通算セーブ数は310で歴代17位。現役選手で見ても、歴代1位のトレバー・ホフマン(524セーブ)はもちろんのこと、マリアーノ・リベラ(443セーブ)、ビリー・ワグナー(358)、ロベルト・ヘルナンデス(326セーブ)、トロイ・パーシバル(326)、ホゼ・メサ(321)の計7人がゴセージ以上のセーブ数を記録しています。また、2006年にトレバー・ホフマンに抜かれるまで歴代1位の座を保持していたリー・スミス(通算478セーブ)は今回43.3%の得票率しか得ていません。それなのに、なぜゴセージが?
ゴセージのすごさを理解するためには、彼が活躍した時代背景(1970年代後半〜80年代中盤)を考える必要があります。当時は、1登板で2イニング以上投げることも当たり前。ゴセージはすべて救援登板ながら100イニング以上を投げたシーズンが4度もあります。ホワイトソックスでプレーした75年には62登板で141.2回を投げ、防御率1.84という成績を残しています。その年のセーブ数は26と決して多くありませんが、チームへの貢献度では、今のほとんどのクローザーたちより上と言えるでしょう。『スポーツ・イラストレイテッド』誌のトム・バードゥッチによると、ゴセージは2イニング以上を投げてセーブを稼いだのが通算で125もある一方、リベラは11、ホフマンは7だけ。これを見ても、ゴセージの偉大さがわかります。
かつては“ファイアマン”と呼ばれていた抑えの切り札は、1登板1イニング限定という形で役割が限定されるにつれ、“クローザー(試合を締めくくる人)”と呼ばれるようになりました。今後、ゴセージのような“ファイアマン”が再び登場する日は来るのでしょうか? (イ)
次回更新は1月17日(木)です。
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